十七、人事部とはどんな職場?

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人事部門は企業活動に必要な従業員を採用し、会社生活に必要な研修を行った後に適材適所に配置する役割を担います。
求職者への窓口となる組織であり、応募者は最初に接触する部門と言えます。
なお、管理の対象が人であることから、企業規模が小さい場合は、後述の勤労部門を包含している場合もあります。

(一)採用
人事部門は人事に関する社内各組織の統括部門です。採用すべき人数や職種は社内各部門からの要求をベースに調整されます。要求は例えば営業部門三名、製造部門十人というようになされます。

採用するには費用が掛かるため、各部門の要求をそのまま受け入れるわけにはいきません。給与・ボーナスのほかに社会・健康保険、福利厚生費、交通費、事務機器、光熱費などが費用の内訳です。そのために採用人数には経営予算上の制約が生ずるのです。

各部門からの要求人数は、最終的に各部門と人事部門の間で調整がなされ、会社としての募集・採用人数が決められます。ある一定規模の企業では、募集要領は学校への連絡、求人説明会、ホームページ、ハローワークなどにより、学生諸氏に伝えられます。
障がいを持つ人に対しては、企業規模に応じて一定人数の採用が障害者雇用促進法で定められています。多くの企業が彼らへの門戸を開いています。

応募書類やその審査・面接も人事部門が行ないます。採用面接では人事担当者、部課長など管理者、そしてケースによっては人材が必要な部門長が出席します。採用を目指すには、こうした厳しいプロの心を少しでも動かす、印象付ける応募戦略が必要となります。本書により希望する職種に求められる要素やキーワードをできるだけ捉え、具体的に自身が貢献できることをエントリーシートや面接で述べることができれば採用の可能性は増すに違いありません。

(二)社内研修
採用後は通常会社生活に必要な研修が行われます。具体的なテーマの例は、会社の経営方針、会社概要(設立年度、組織構成、資本金、売上高、従業員数等)、製品やサービス、品質や環境などです。
研修の資料は、人事部がまとめるのですが、必要により各部門から情報を採ることができます。殆どが座学形式で試験などはないようです。
研修後は各部門に配属となりますが、配属先ではその部門独自の専門的研修やトレーニングが実施されます。これは人事部門の範疇ではなく、配属先の範疇となります。

(三)育成評価制度と変化
人事部門は採用した従業員の活性化、能力向上、モラールアップの活動も主導して行ないます。業務遂行能力を仕事の経験や教育の機会を与えることにより向上させる狙いです。
人事の評価と相応の給与も人事制度によって定期的に決められます。その人事制度を維持・管理するのも人事部門です。

我が国は伝統的に従業員の給与や評価を年功序列によってきました。すなわち同年代の人々は、昇格、昇給ともにほぼ同じ待遇を受け公平性を保ってきました。この制度は従業員に大きな不安や不満もなく安心・安定を与え、企業との一体感の基に日本の成長を支えてきたといえます。「企業は人なり」と言われ、従業員が大切にされた時代でした。

バブル期が終わり、経済成長が停滞し、やがて国際競争に巻き込まれることとなりました。以降は、同様の処遇は困難となり、欧米のごとく成果主義や契約制度を導入する企業が増えています。特に大企業では人事制度が見直され、個別契約による年俸制度を取り入れる企業も増えています。
個別の目標や遂行すべきこと(ミッション)が明確なので、会社側としてはメリットがありそうです。従業員も成果を出せば評価が上がり、給与も増えるという点ではモチベーションが上がるというものです。
一方では、比較・競争という意識が膨れ上がり、従業員のストレスが間違いなく増しています。先行きを考えると生活が不安で、将来がうまく見えないという人も多くなっているようです。自己防衛、自己責任、自己解決、リストラ、使い捨てなどすさんだ言葉も聞かれるようになりました。人間の心の問題も増えているように思えます。個別にケースがことなり、人事管理面での対応は難しく、時間もかかると考えられます。
この成果主義、年俸制度は現状では必ずしも浸透しているとは言えません。
いずれにせよ変化が起きていることを感じざるを得ないのが実情です。

各社毎の人事制度は異なるので、就活に当たっては可能であれば、従業員を如何に大切にするのか、年功序列に近いのか、成果主義に近いのかなど調査しておきたいものです。。

労働者派遣制度の導入も大きな変化の表れとなっています。企業は働く人に必ずしも帰属意識や高いモチベーションを求めず、能力とマンパワーを求めるようになったと思えるのです。多くの人材派遣会社ができ、殆どの企業は派遣を委託しています。
企業側から見れば、必要時に必要な能力と人数を確保することができれば、経営的・費用的なメリットが得られるのです。費用もわかりやすいので管理が容易となるメリットもあります。
こうした場合、人材派遣会社に人事部門が業種、能力、人数、予算などを伝え、派遣を依頼します。派遣依頼の部門の要求を的確に人材派遣会社に伝え、適任者を派遣してもらうのがポイントです。
なお、派遣者の職種、場所など就労管理については、労働者派遣法に規定されているので順守が必要です。当然、法の知識も求められることとなります。

言うまでもなく人は年を重ねるにつれ、体力の低下が回避できません。仕事をこなすスピード低下、視力の低下、注意力低下はミスの増加や作業効率の低下につながるので、年齢は人事管理上の一つの要素となります。この他に能力、性格、男女比、直間比率(現業直接部門とスタッフ部門の人数比)、人間関係を踏まえた活性化のための人事管理が常に求められます。むろん差別するような管理は受け入れられないので配慮も求められます。
人事部門は企業業績によっては、従業員の配置転換やリストラにも直面し、再就職先斡旋も考えねばならない可能性があります。
就職斡旋機関、能力向上教育機関との連携など交流も必要となってきます。
従業員の勤務評価、健康、家族状況など人事データを管理しなければならず、おのずから秘匿性に十分注意をすることも求められます。

(四)期待される人物像、自己能力の向上
人事部門では、管理の対象が生身の人であり、人と人とのコミュニケーションを通じ、人を思いやる気持ちが大切です。一方で、時にはリストラなど厳しい現実を、本人にプラスのための転身として準備し伝達せねばなりません。社内の人事制度、労働関連の法律、派遣法などの知識を蓄え、人間味あふれる管理力が求められる部門です。
様々な労働関連法の知識、経験をベースとした問題の解決力を高めれば、社会保険労務士や就職コンサルタントなどの道が開けることと考えます。

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