二十二、開発設計部門とはどんな職場?

画像

開発・設計部門は、新製品やサービスの新規開発に大きく寄与する部門です。
新たなものづくりをする上で、最も上位のプロセスにあるということができます。つまり開発設計部門が設計を終えて、生産計画、部材の購入、製造などが活動し始めるのです。

(一)開発設計の役割
マーケッティング部門や客先からの要求に基づいて、製品の仕様をまとめ、具体的に図面作製や使用材料・部品の指定など設計を行うのがこの部門の役割です。
仕様とは、機能、性能、部品構成、周囲条件、外観寸法、色、用途などの項目から構成され、通常は仕様書として文書化されています。設計をするうえでの最も基本となり、尊重されるものです。

(二)ハードウェアとソフトウェア
目に見える形のあるものをハードウェアといいます。パソコンでいえば、本体、キーボード、CPU、プリント板、LEDディスプレイ、ハードディスク、それに使用されている電気部品、フレームなどがハードウェアです。
一方ソフトウェアは、それ自体は、目に見えないいわゆるプログラムという形の製品です。

ハードウェア設計は仕様書の作成、機能ブロック設計、電気回路設計、機化工設計などに分けることができます。会社の規模によって、それぞれが、独立した設計部門であることもあり、一つの部門で行う場合もあります。

製品の仕様は、インフラや産業用などに使用する特注品であれば、お客様からの要求に基づきます。お客様に確認しつつ、全体の仕様作成を行うなど、現実はお客様と開発設計部門の共同作業となることも多々あります。生産設備、ロボットなど産業用の機器の殆どは特注品で、都度仕様書が作られ、設計がなされます。

一方カメラや携帯端末などのカタログ製品などでは、企業独自で仕様を決めることが原則です。市場情報を有する販売・マーケッティング部門の要求やシリーズ化コンセプトによって仕様が決められるのです。項目は、前述のように用途、使用環境、機能や性能、外観寸法、色、環境安全規格、特許などが含まれています。
携帯端末を例に取ると、用途は、通話か情報表示ということになります。使用環境は、使用温度範囲、防水の要否などで、機能や性能は、写真の画像数、画面サイズ、文字の大きさなどです。環境安全規格は、地球に優しくするための材料の規格や、乳幼児が触っても、柔らかい皮膚に危害を及ぼさないなど安全の基準を定めた規格などです。
このように仕様書は製品作りのために、技術者によって細かに配慮されて作成される基本の図書です。

仕様書ができた後は、いよいよ設計に入ります。
電子機器を例にとると設計の手順は機能ブロック設計からとなります。一つの機器は、様々なブロックに分けることができます。例えば、電源、信号入力部、信号出力部、情報処理部、記憶部、表示部といった具合です。このそれぞれに、どのような機能や性能を持たせ、互いのブロックの間のやりとり(インターフェイス)の規格を定めるのがブロック設計なのです。

電気回路設計は、一つ一つのブロックの具体的回路図や部品リストを作成し、プリント板組み立て設計を完成させるプロセスです。部品の選択、部品の配置や温度上昇、電磁波対策、安全・環境対策など多様な知識やノウハウが要求され、それらが設計図に集約されます。回路設計やプリント板設計には専用のコンピュータソフトが使用されます。

機化工設計は外観、寸法、フレーム構造、材料の選択を行い構造的な設計を行うプロセスです。プラスチック類、金属類、メッキ、化学物質、印刷、使用工作機械などこれも多様な知識を要します。設計には、三次元CADなどが駆使されます。洗練されたデザインが求められますので、新人でも自身のセンスを大いに発揮できる部門です。

ソフトウェア設計はシステム設計、機能ブロック設計、コーディングなどに分かれます。

システム設計の場合は、多くは、システムエンジニア(SEと呼ばれる)によって行われます。全体の機能・性能や入力、出力の条件や操作・運用を明確にする役割です。

機能ブロック設計は、さらにいくつかに分け、全ての条件を盛り込んだフローチャートを作成するプロセスです。ここで条件漏れがあってはバグの大きな原因になるので全神経を集中せねばなりません。このフローチャートによって実際のプログラムづくり(コーディング)がなされます。
プログラム言語は様々ですが、高速化するなど製品や時代によって変わってくることもあるものです。
プログラマーによって使用言語も異なるといってもよく、人選も限られるが現在では専門のソフトウェア会社に外注することが多くなりました。このため外注先との設計ずれや進捗の管理がソフトウェア設計部門の業務の一つとなっています。
小規模なソフトウェアでは、システム設計、機能ブロック設計、コーディングを一つの部門や、一人で担当する場合もあります。規模の小さな組込みソフトウェアは、専用のLSIやソフトウェアの書き込みツールも用意されている例などがあります。

(四)開発設計の責任と期待
このように開発設計は、製品の出来栄えに大きく影響するので非常に重要な部門です。
設計者は、材料、部品に詳しいのみならず、コストに大きく影響する組立手順や工作設備に至るまで深い知識が求められます。
また、設計ミスもできる限り発生させない注意力や工夫も必要です。製造段階で発見されたミスは、作り直しや修正に多大な費用と時間がかかるためです。
進化し続ける半導体やプラスチック材料などの最新情報にもアンテナを高くせねばならないでしょう。それだけに、社内でも最も多忙な部門と言えます。ミスの回避や設計の締切時期などプレッシャーも多いのです。

一方では、世界の最新技術や豊富な知識、応用力を有することから、社内では最も尊重される部門でもあります。
部品選択や具体的な設計を行うのは、入社数年目の設計担当者から係長クラスであり、この世代が日本のアイディアを支えているということができます。

設計作業は、それぞれが専門知識や応用力を深く追求しています。コンピュータを駆使し、与えられた範囲の設計に他人が入る余地はほとんどありません。つまり、殆どが自己の裁量で進められます。
自分で集中設計した成果は、部門で内部審査、確認し、上司の承認を得ることとなります。

(五)期待される人物像と自己能力の向上
きめ細かなデザイン、感動を呼ぶ造形美・機能美で、世界市場に製品を提供し続けた日本の技術者は、世界でも尊敬されています。開発設計者は進化する市場にマッチした製品作りのために、新たな技術や部品情報を絶えず入手する必要があります。その結果、多くの最新知識、ノウハウを有することとなります。専門知識とその応用、モノ作り、品質、コスト、プロジェクト的管理等その中身は豊富です。

これらを生かし技術士、中小企業診断士、ISO品質/環境マネージメントシステム審査員などの資格取得に近い部門です。コンサルタント業務なのである程度の経験を積む必要がありますが、専門技術を背景とした開発設計部門からの挑戦は極めて優位と言えます。
ちなみに筆者も、開発設計部門を二十五年間経験し、技術士とAPECエンジニアの資格を有しています。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック

  • レイバン 店舗

    Excerpt: 二十二、開発設計部門とはどんな職場? 日本復活のために  人材育成・業務の応援ブログ/ウェブリブログ Weblog: レイバン 店舗 racked: 2013-07-06 00:43
  • プラダ メンズ

    Excerpt: 二十二、開発設計部門とはどんな職場? 日本復活のために  人材育成・業務の応援ブログ/ウェブリブログ Weblog: プラダ メンズ racked: 2013-07-09 06:21
  • VISVIM サンダル

    Excerpt: 二十二、開発設計部門とはどんな職場? 日本復活のために  人材育成・業務の応援ブログ/ウェブリブログ Weblog: VISVIM サンダル racked: 2013-07-09 21:10