二十五、生産管理部門とはどんな職場?

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生産管理部門は、生産計画部門とも呼ばれ、製品の生産計画をし、社内に製造指示を出す部門です。
計画の遂行管理、製造に必要な部材の購入指示、在庫・棚卸の管理も業務の範疇となります。

(一)計画
自社が製造販売するブランド名がついた製品は計画在庫数減少により、生産の判断がなされます。インフラ用や独自の業務用などはお客様との間で仕様が確定したのち注文を受けることとなります。いずれの場合でも、製造指示には、品目、数量、納期などが示されます。
製造部門は、これにより人員計画、設備計画、生産数量の計画をまとめ生産を開始します。常時は複数の製品を同時・併行して製造することになるので、製造チームの編成、完成までの時間、設備の空き具合などを勘案し、工程表が作成されます。
製造に必要な人数が社内で不足の場合は、外注を検討せねばなりません。
例えば、クリスマス商品、エアコン、ヒータなどは季節ものと呼ばれ、商戦の二・三か月前が製造のピークとなるので、人、部品、費用をあらかじめ計画に反映しておかねばなりません。作り込みの数量となると、景気や天候がらみで推測することとなります。
数量計画では販売部門との調整も必要です。
自社製品で自社が販売する場合、販売部門からの数量指示はとかく数量が多めです。これは数量に目標的要素が含まれているためと思われます。販売部門からの数量で作りこみをすると、売れ残りが発生する場合が多々あります。処分にはたたき売りの状態になり、ややもすると赤字になります。
これを避けるためにも生産数量は販売部門との調整が必要なのです。チャンスと懸念との綱引きとなりますが、在庫を完成品で持たず、部品のみで在庫するなどの案が落としどころとなります。

(二)納期、資材、費用の管理
製造の日程、部品の入手状況など計画の進捗を常時フォローするのも生産管理の役割です。ズレや問題があれば、状況を把握の上対処しなければなりません。
部品の納期遅れが発生するようであれば、購買部門とともに発注先と対策を練り、時には市場での在庫を調査する場合もあります。製品が多岐に亘り、部品の種類も膨大ですが、一つずつの把握が必要となります。実際には、ITシステムを利用し、リスクのある部品や供給業者が重点管理されます。
生産した製品の売れ行きが良くなければ、陳腐化しないうちに売り切る必要があります。
そのため、販売部門との連携で完売戦略をたてねばなりません。代理店との交渉や時には値引きをせざるを得ない局面にもなります。
製造の費用、つまり製造コストの発生時期の把握や積算管理も極めて重要です。部材購入費用の支払時期と製造時の人件費が管理の主対象です。特に部材購入費は項目が多く変動費用であることから、把握しづらいので高額のものについては管理の重点対象となります。資金管理上は支払時期の把握、場合により調整も必要となりますが、中小企業に対しては下請法に従った対応が求められます。
現在は多くの企業が材料管理のITシステムを有しています。
大きな企業ではERP(Enterprises Resource Planning)により、各組織や経理システムとも連動し、部材の発注、価格、納期が効率的に把握できるようになっています。費用、納期などの管理に大いに活用すべきです。

(三)在庫と棚卸資産の管理
製品の在庫、部品及び設備に関する資産の管理も生産管理部門の業務です。企業は、通常、適正な数量の製品在庫を保有します。
お客様から注文が来れば、間髪を入れず納入するためです。 在庫がなければ、部品から集めて製品を組み立てねばならず時間がかかります。 これでは販売の機会を失ってしまう可能性があります。

在庫数量は、販売部門からの情報をもとに、通常生産管理部門が決定します。 したがって、在庫数量や出荷指示は、生産管理部門からなされています。 製品在庫は場所や保管に、盗難防止、温湿度保全、日々の入出庫管理など費用がかかります。
さらに大量の在庫は、入金が長期間滞る元になり、資金の回転上経営問題となる可能性もあります。 すなわち不良在庫(売れ残り)の問題と発展しかねないのです。
このように、在庫が少なければ、販売機会の損失、多ければ費用発生や不良在庫となり、在庫数量の決定には、高度な判断が要求されます。 生産管理部門は販売部門からの情報収集、資金回収計画などをベースに、ITツールなどを使い分析する力と、且つ人間的思考である洞察力も求められます。

客先への納入は、通常受注者(生産メーカーや代理店)が、客先指定の場所へ搬送します。 そこまでの輸送費の負担は、費用も含めて受注者となるのが通例です。 出荷・輸送も生産管理の指示で行われます。

企業では製品の他に、組み立て前の部品、製造設備、机や椅子、IT機器などの資産があります。これらの数量や価値を調べる棚卸し調査が、通常年に2回実施されます。
これから製造に使用される部品類、生産設備、工場設備などは生産管理部門がまとめる役を担います。 製造部門など調査の対象部門に、品名、数量などの調査の依頼をし集計をまとめます。
事務機器、照明などあらゆる資産が調査の対象ですが、机や椅子など生産に直接係わりのない一般備品は、総務や経理が担当するケースが多いようです。
品目、数量、価値などの最終結果は経理部門でまとめられ、棚卸資産として把握されます。

(四)期待される事、高められる能力
生産管理部門は、製造のため生産全体を把握すべき管理部門です。したがって、管理の幅は大変に広くなっています。
生産のために部材、設備、人員、費用、在庫などに関し、計画から出荷まで気を配ることが求められます。
社内各部門との交渉も多いので、説得力も期待されるところです。季節ものの生産、製品在庫や棚卸資産管理には、分析力・洞察力も発揮せねばなりません。

このように生産管理は工場経営のためのノウハウが集約されているといっても過言ではないくらいです。工場経営は、業態が異なっても生産手順、管理の基本や対象は共通です。
したがって、管理者レベルになれば、何処の工場へ行っても工場長としての実力は発揮できるというものです。
世界に目を広げれば、発展する国にはいくらでも活躍のチャンスはあるなど展望は開けています。
資格面では、中小企業診断士への必要な学習を実地で得ることができる職場です。

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