二十四、製造技術部門とはどんな職場?

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(一)役割
モノ作りの効率化をめざし製造ラインや設備を設計するのが、製造技術部門の役割です。製造技術は生産技術や工程設計とも呼ばれることがあります。
モノ作りには最も身近な工場技術者であり、活動は三現主義(現地・現場・現物で判断せよ)、見える化、インダストリアル エンジニアリングなどの言葉であらわされる活動が基本です。成果物は作業標準規定、作業工程フロー(QC工程図)、作業手順書、製造ライン構築、最適設備の設計・導入などで、製造するうえでの規範になるものです。

工場は製品に必要な部品材料を、製造する直前に入手し、効率よく製品を作って客先に納入することが理想です。効率よくとは、人手をできるだけかけず、作業時間も抑え、電気や水などエネルギーも最少で、場所も最少ということです。これらの実現が製造技術部門には期待され、実行の要領を示したのが上述の成果物です。
とは言っても何となく分かりづらいのが製造技術です。編み物であるセーターを例にとって説明しましょう。
全体の柄のデザイン、使う毛糸の太さ、色、サイズを決めるのはデザイナーであり、企業で例えると開発設計の仕事です。
決められたことに対して、どの部分から、どのような針や編み機を使って、どのような手順で編むかを決めるのが、企業では製造技術の業務となります。ここで求められるのは、デザインを忠実に守り、できるだけ短時間で、見栄え良く仕上げるということです。このことはモノ作りの時間と費用を一定に抑え、期待された品質のものを生産すると言うことになります。

工業製品を製造する上でも、セーターの場合と考え方は同じです。
しかし、設計・規定や材料も多く、組み立て手順もとても複雑です。どのような材料を使用し、どのような規格に基づいて、どのような方法や設備で、誰がどういう順序で作業し、どのような検査で完成させるか決める必要があります。
これら一連の流れは常に効率化を念頭に考えられます。考えられて図として示されたものが作業工程フローです。またこのフローに基づいて個別作業の方法や手順、使用設備を示したものが作業手順書で、各作業者のマニュアルとなります。これらは製造上はなくてはならないものです。

例えば扇風機であれば百前後、パソコンレベルでは千単位の部品数で構成されています。部品サイズも大小さまざまで、取り付け位置や方法、方向も設計図で細かく規定されています。これらをいかに順序よく、効率的に組み立てていくかによって、製造の時間や人手も変わってきます。最終的に時間や人手は企業では金額に換算され、成果として評価されます。効率は製造コストという数値になって表れ、利益や製品の価格競争力に直接影響しますので、製造技術は経営面でも重要となっています。

(二)たゆまなき工程改善
通常、製品はある数のブロックで成り立っています。電源部、制御部、表示部など構造的に分離できる部分がブロックであり、この単位で生産されます。各ブロックの製造工程はとても複雑なので、作業や管理の単純化のために、ラインや設備ごとに分けられます。例えば電子ブロックでは、表面実装設備による部品取り付け、プリント板組立、完成品組み立てなどに工程が分業されます。それぞれ作業の内容や数により人数や工程数、順序が検討され決められます。一旦決められた後も、効率化のデータは取られ、絶えず評価・分析され改善が試みられています。
例えば、製造ラインでは三十人が並んで作業するとすれば、どうしても全員が同じ時間、たとえば二十五秒で終えるとは限りません。各作業時間のバラツキが出るので、バラツキを最小限にする工夫がなされています。各作業時間評価をラインバランスと呼び、バラツキを見ることができます。バランスは工程数、人数、作業分担、作業の熟練度、工具、設備などの改善により修正されます。修正後は常に再評価され、たゆまぬ繰り返しの工夫活動が続けられるのです。

この活動のリード役は製造技術です。改善は目に見えたり、金額という数値になって表れるので、評価は明確です。効果が大きければ、部門や担当者の評価も上がり、大きなモチベーションが得られる部門です。
なお、小規模企業や製品の部品数が少ない場合は、開発設計部門が製造技術の役を担うこともあります。

(三)設備、工具などの準備・保全
製造技術部門では製造に必要な設備やドライバーなどの工具を整えることも業務の範疇です。これらの設備は、あらゆる製品に共通に使われます。また、これらをいつでも使えるような状態にメンテナンスすることも求められます。
測定器は、定期的に保守・校正が必要であり、これを管理するのも製造技術となります。測定器が狂っていたのでは、何を測っているのかわかりません。品質も保証できなくなります。

セーターの例で言うと、数種類の太さ、長さ、柔らかさの違う編み針や、性能の違う編み機が工具や工場設備に相当します。色々な種類の編み針が準備され、編み機はいつでも使えるように整備され、分かりやすい場所に保管されている状態と同様に、製造設備や工具も製造技術部門のもとに行き届いた管理であるべきなのです。

(四)世界に誇る製造技術と期待される力
製造技術は、トヨタ生産方式を代表とする車や電子機器の生産において、日本は非常に発達しており、世界の注目の的となっています。
この部門では常に創意工夫が求められ、その結果世界的なレベルの製造技術を身につけることができます。事実、車関連や電子機器の大勢の製造技術者が、モノづくりのコンサルタントとして国内はおろか海外でも活躍しています。技術士、中小企業診断士などの資格取得には適した技術、能力が得られる部門です。

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